コツ56 言葉の「立て方」

グループレッスンに参加される皆さんから、人前での話し方について、よくこんな悩みを伺います。

「自分では、大事なところを強調して話しているつもりなのに、メリハリがない、単調で飽きてしまう、と言われる・・・。」

聞き手を飽きさせないためにも、また、話の内容を分かりやすく伝えるためにも、いかに『メリハリ』をつけて話すかはとても大切。

そのためには「言葉を立てる」=「強調する」ということがポイントになります。

つまり・・、キーワードとなる大事な言葉や、社名・商品名・地名・名前のような固有名詞、キャッチフレーズ、最後のまとめの言葉などを、どう扱うか、です。

では、「言葉を立てる」ためには、どうすればよいのでしょうか 

基本的なスキルはこの4つ 

①声の「高低」 ~ 立てる言葉は高めの声で

②声の「大小」 ~ 立てる言葉は大きい声で

#ただし、これにはわざと小さい声で話して注意を惹きつける、という方法もあります。
例えば、小声でささやくように「ここだけの話です。実はこれが一番大事なのでよ~く聞いて下さい!」と言うと、効果的。

③話し方の「緩急」 ~ 立てる言葉はテンポを落としてゆっくり丁寧に

④「間」の取り方 ~ 立てる言葉の前に「間」を取って声の調子を変える

#間の取り方に関しては以前にも詳しくご紹介していますので、こちらのコツ35

この4つのスキルを上手に取り入れると、声に表情もつけやすいし、結果的に話にメリハリもつけやすくなります。

ただし、大事なことがひとつあります。それは、話し手は勇気を出して、かなり大袈裟に言葉を立てる、ということ

というのも、話し手はそれなりにメリハリをつけて言葉を立てているつもりでも、聞き手にとってはそれほどでもなく、まだまだ単調に聞こえる場合がほとんどだからです。話し手の感覚と聞き手の感覚の間には微妙なギャップがあるのです。