コツ34 滑舌の練習  上級者は「外郎売」を!

アナウンサーはもちろん、俳優さん、声優さんなどが必ず練習するのが、歌舞伎十八番の一つ、成田屋の市川団十郎さんがお家芸にしている「外郎売(ういろううり)」の中に出てくる、こちらの長セリフです。

一般に「滑舌の練習コメント」としてよく使われているものは、この「外郎売」から一部をとったもの。時には、全セリフを通して練習してみるのも、気分が変わって良いかと思います。

冒頭をご紹介しますと・・・

拙者(せっしゃ)親方と申すは、

御立合(おたちあい)の中(うち)に御存知のお方もござりましょうが、

お江戸を立って二十里(にじゅうり)上方(かみがた)、

相州(そうしゅう)小田原、一色町(いっしきまち)をお過ぎなされて、

青物町(あおものちょう)を登りへお出でなさるれば、

欄干橋(らんかんばし)虎屋藤右衛門(とらやとうえもん)、

只今は剃髪(ていはつ)いたして円斎(えんさい)と名のりまする。

元朝(がんちょう)より大晦日(おおつごもり)まで、

お手に入れまするこの薬は、

昔、ちんの国の唐人(とうじん)、外郎(ういろう)という人、

わが朝(ちょう)へ来たり、

帝(みかど)へ参内(さんだい)の折りから、

この薬を深くこめ置き、もちゆる時は一粒(いちりゅう)づつ

冠のすきまより取りいだす。

よってその名を、帝(みかど)より

「頂透香(とうちんこう)」と賜(たまわ)る。

即ち文字(もんじ)には、「いただき、すく、におい」と書いて

「とうちんこう」と申す。 

まだまだこの続きがありまして、最後まで一気に通すと結構ハードです。でも、これが出来ると、ちょっとした「宴会芸」になりますから、ぜひオススメ。皆さんもぜひ練習してみてはいかがでしょう?!

ちなみに、頑張って音声を入れてみようかと思ったのですが・・・、こちらのサイトにあるのを発見。ぜひチェックしてみてくださいね